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新国立競技場のデザイン 隈研吾氏に聞く [新国立競技場]

本日(12月28日)のつぶやき

新国立競技場デザイン隈研吾氏に聞く






建築家の隈研吾氏がNHK週刊ニュース深読みに出演し、
特徴、デザインに込めたメッセージ、予算・工期などについて答えた。

新国立競技場の特徴
 コンセプトは“木と緑のスタジアム”
 木材を多く使った伝統的な日本建築
 壁面を彩る緑が特徴

 スタンド部分は3層式で
 周囲の景観との調和を図るため高さは50m以下に抑えている。
 屋根の部分にも多くの木材が使われている。
 収容人数は通常6万8,000人オリンピック後8万人となる。

新国立競技場の整備計画は当初は別のものだったが・・・。 

 3年前に採用されたデザインはイラン出身の女性建築家のザハ・ハディドさんの
 作品だ。
 しかし建築費が当初の2倍近くの2,520億円に上り巨額の費用に批判が相次いだ。
 今年7月安倍首相が計画を白紙に戻すことを表明した。

新たな整備計画では総工費の上限を1,550億円とした。

2つのグループが「技術提案書」を提出し、

 A案は、建築家の隈研吾氏がデザインした大成建設などで作るグループで
 「木と緑のスタジアム」を提案した。
  イメージパス1.JPG
 
 B案は、建築家の伊東豊雄氏と竹中工務店、清水建設、大林組のグループで
 「21世紀の新しい伝統」を提案した
 伊東豊雄氏は建築界のノーベル賞のプリッカー賞を2013年に受賞しており、
 日本を代表する二人の建築家が争う形になった。
 新国立競技場B案.JPG

JSC(日本スポーツ振興センター)が審査した結果
 隈研吾氏のデザインは610点
 伊東豊雄氏のデザインは602点
 と8点差で隈研吾氏のグループに決定した。

JSCの大東和美理事長は
 「業務の実施方針、工期短縮、環境計画などの評価が高い」
  発表した。

決定直後、隈研吾氏は
 「世界中から注目されているプロジェクトなので大変な責任の
  大きな重いプロジェクトということでそれをひしひしと感じている。」と
  答えている。

馳文部科学大臣は
 「まだまだ東京オリンピックへ向けての一里塚だと思う。
  一つ一つのハードルをみんなで協力してクリアしていきたい。」と
  コメントしている。

レスリングの伊調馨選手は、
 「スタイリッシュな方ですよね。かっこいいと思います。」と
  コメントしている。


A案は、 総工費1489億円余 完成は、2019年11月30日としている。

隈研吾氏がデザインに込めたメッセージは、
 「森との調和を一番に考えた。
  決め手はひさしのデザイン。
  ひさしが重なったデザイン。
  ひさしは、その下にやさしい影を作る。
  影によって周りと調和させる。
  日本の伝統的建築の技を現代に活かした。
  影は建物の存在感を柔らかくする。
  それによって周りと調和させる。
  その影の部分が木でできているので温かくて今までと
  コンクリートとの建築とは違った質感がある。
  調和、景観がエネルギーの点でも調和が一番大事になっている。
  そういう時代に合ったものを作りたいと思った。
  ザハ案の高さ70mから50m以下にしているので
  5階分くらい低くなっている。
  存在感をなくしている。」
  と言っている。

「1964年はコンクリートで高度成長の真っ只中で東京オリンピックでは国立代々木競技場(丹下健三氏作品)に圧倒された。 当時のイケイケの時代の象徴であったが我々は全く逆の時代に生きている。 調和の時代、環境の時代であるのでそういう時代の精神を象徴するものにしたいと考えた。」と言っている。

外国の方々へのメッセージは
 「日本は環境という時代をリードする国であるということを
  スタジアムで世界の人に感じ取って頂ければ良い。」

スポーツをする人、観客へのメッセージは
 「観客席も木の屋根で包まれているような優しい感じのする観客席に
  している。競技もこれからはただ戦う戦うではなくもっとやさしい
  気持ちにすることを工夫した。」
  と言っている。

《座席の配置などが自分たちと驚くほど似ている。》と
 ザハ氏の事務所は言っていることに対し、

 「見て一目全然形も違うし高さも違う。
  観客席もザハ氏はサドル型で今回は、全部スラッと低く
  しているので全く違うと一目でわかる。
  敷地が同じで8万人を収容し、3段式にすると同じようになる。」と
  違いを説明した。

 「目指すところは、木の建築は意外と長持ちがする。
  法隆寺は7世紀から使われ現在も使われている。 
  木は傷んだところをうまく取り換えができる。  
  夢は法隆寺並みに長持ちしてくれればいい。」
  レガシーとして使用できることを話した。

《予算内に収まるのか。工期に収まるのか。》に対し

 「コンペの案作りでどうやって合理化すればよいのか。
  例えば全部同じ断面でできているので同じ部材を全部使える、
  パネル化し工場でパネルにして持ってくるので工期も短くできる。
  全部検証してできることを確認して提案しているので自信がある。」と
  答えている。

我々は、デザインも非常に興味があるがやはり予算、工期が気になる。 上記のように案作りで十分に合理化策を検討しているようなので間際で 〇〇が計画になかった、追加になった等でコストアップや 工期延長が発生することのないように経緯を見守ろう。

隈研吾氏の紹介
1954年、横浜市生まれ。 1964年東京五輪のため丹下健三氏が設計した国立代々木競技場に感動し、建築家を志した。東大大学院修了。1990年に事務所を設立し、初期は先鋭的なポストモダニズム建築で注目された。 「ルーバー」と呼ばれる木の縦格子を用いる手法を得意とする。 那珂川町馬頭広重美術館(栃木)で村野藤吾(とうご)賞、 根津美術館(東京)で2010年、毎日芸術賞を受賞。 他の代表作に現在の歌舞伎座(同)、浅草文化観光センター(同)、中央に広場がある複合型市役所「アオーレ長岡」(新潟)。 仏ブザンソン芸術文化センターなど、海外作品も多い。 2009年から東大教授。 著書に「負ける建築」「自然な建築」など。 最近、南三陸町の復興に向け、町のグランドデザインの検討にも携わっている。

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